代表挨拶
弊社は皆様のお陰をもちまして、2019年に設立60周年を迎えました。
弊社設立の原点は、太平洋戦争中の統制経済から戦後の経済民主化という大きな流れの中で、戦後間もなく多くの通運事業者が誕生しましたが、これら通運事業者は全国組織網の拡充と系統取引の確立及び運賃交互計算機関の設立等を目標に、1950年7月、全国通運業連合会(全通連)を設立しました。その後、全通連という任意団体だけでなく、全通連加盟各社の共同出資により、政府米輸送の元請、交互計算等の経済行為を行う事業統括会社を設立しようという機運が高まり、1959年3月に弊社が設立され、その8年後の増資時には国鉄(現JR貨物)も50%の資本参加をし、今日に至っています。
この間、戦後間もなくの混乱期・復興期、その後の高度経済成長期、2度にわたるオイルショック、さらにはバブル経済の崩壊、そして近年でも阪神淡路大震災、リーマンショック、 東日本大震災や激甚化する自然災害、また足元では新型コロナウイルスの感染拡大等、幾多の困難に直面しました。しかしながら、お客様や株主・代理店の皆様のご理解とご支援により、全通連加盟各社による鉄道利用の全国網「みどりのネットワーク」の鉄道コンテナ輸送におけるシェアは4割を超え、全国No.1のネットワークに成長しています。
現在、ESGやSDGsと言われるように、温暖化等の地球環境問題や持続可能な社会の形成に関する関心が高まっており、CO2やNOxの排出量が最も低く、エネルギー効率が高い輸送手段として鉄道貨物輸送が注目を集め、「モーダルシフト」の大きなうねりが続いています。
弊社としても、今や全国通運のビジネスモデルと言えるまで取組が活性化しており、 お客様と共同で物流課題を解決していく「モーダルシフト推進協議会」活動の一層の深度化や、冷凍コンテナの増備による温度管理物流の強化等により、鉄道コンテナ輸送の需要を開拓してまいります。さらには、鉄道の輸送障害時のBCP対応や小麦輸送のための船舶輸送、長大・重量物品の特殊トラック車両による陸上輸送等、輸送手段の複線化にも取り組み、社会に貢献してまいる所存です。どうぞ皆様、全国通運に対し、倍旧のご指導とご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。